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(選評)珈琲日和5

知己凛(@Chikorin7)さんが発行している珈琲日和5を読んだので、少し評を書いてみます。初めてなので表記や評の文体として誤りがあったらご指摘していただけると嬉しくて、体温で珈琲を沸かします。

 

珈琲と鍋焼きうどん食べ簿記の試験勉強JBL揺れ(@kaizen_nagoya)

 

JBLってスピーカーのことなんですね。「揺れ」は音質のことを指しているのでしょうか。オーディオは詳しくないので苦しいところです。名詞が多いので焦点がバラけた感じですが、珈琲と鍋焼きうどんの組み合わせにきゅんときます。

 

カフェインはよく効くといひ投げ渡す缶がオフィスで一番冷たい(のつちえこ)

 

職場の人間関係の裏にある無慈悲なところを感じます。嬉しくない差し入れ…

投げ渡している人・冷たいと感じている人のどちら(あるいはどっちも?)が作中主体なのでしょう。私は後者で解釈しました。この後の下記の歌への繋がりが好きです。

自販機に光は絶えずBOSS,お前にも眠りつく夜があるんか

 

しあわせが零れぬように「ん」と「ん」のあいだをゆっくり運んでく(うさうらら)

 

好きな人とゆっくり過ごす貴重な時間に、相槌を打ちながら珈琲を飲んでいるところを想像しました。「(珈琲を口に)運ぶ」と脳内補完したのは、これが連作だから。珈琲の存在がなかったら、「しあわせ」が浮いてしまうかもしれない。かもしれない。

 

バス停の街灯の下自販機の、ぶん、と鳴る音また聞きたいな(くさびりんた)

 

昔、帰りのバスを待っているときに、心地よかった沈黙(キスかな?ふふふ)を体験したことを思い出しているのでしょうか。このバス停もしくは音にどんな意味が込められているのか連作の雰囲気からもう少し詳しく読み取りたかったです。

 

ぬばたまの月の形が刺さるのでミルで挽いて粉々にする(絹更ミハル)

 

「ぬばたま」を使う連作。珈琲で心静かに過ごす夜を想像しました。「刺さる」と「ミル」が対極的なイメージがします。「粉々にする」と終わらせるのが優しい印象。ミルのハンドルぐるぐるしてるのって確かに落ち着きそう……